川島研究室の研究分野について

応用脳科学研究分野、ユビキタスセンサー研究分野、認知機能発達寄附研究部門の2分野1部門が共同して研究活動を行っています。機能的MRIなどを用いた人間の心の働きを画像化する脳機能イメージング研究、日常生活中の脳活動計測を可能とするウェアラブル超小型脳機能計測装置の開発、そしてそれらの技術を教育や福祉領域に応用することを目指した社会技術研究まで、広範囲の研究を、医学、理学、生命科学、工学、薬学、哲学、法学、教育学、芸術学など、多彩な研究者が精力的に展開しています。多くの意欲のある学生や研究者の参画を期待しています。

川島研究室は、脳機能開発研究分野として、2006年4月に加齢医学研究所に新設されました。前身は、2001年5月に設置された東北大学・未来科学技術共同研究センター・脳高次機能イメージング創製分野であり、脳科学の知識と技術から新産業を創製することを大目標に活動を行ってきました。2009年10月にはスマート・エイジング国際共同研究センターを設立、2010年4月に同センターに応用脳科学研究分野を創設し、脳機能開発研究分野、認知機能発達研究部門と合わせて3つグループが有機的に統合した研究体制を築きました。2015年4月に加齢医学研究所に非臨床試験推進センターが設立されたのに伴い、ユビキタスセンサー研究分野を創設しました。2016年4月より、脳機能開発研究分野の杉浦元亮先生が教授に昇格することに伴い、同分野を川島研究室から独立分離させました。これまでに多くの脳機能イメージングに関する基礎研究成果を発表してきたと同時に、「脳を鍛える」をキーワードとした新しいジャンルの産業をつくり育ててきました。

脳科学研究は、脳機能イメージング研究と脳ダイナミクス研究を行っています。脳機能イメージング研究では、我々の興味は、ヒトの「心」にあります。脳と心の関連の研究を推進しながら、「ヒトとは何のための存在か?」「ヒトはどこから来て、どこに行くのか?」といった自然科学、人文科学双方にとっての永遠の命題の解を見つけることにチャレンジしています。脳ダイナミクス研究では、小動物を使って、神経細胞の活動や代謝、微小循環動態を調べることによって、脳の動作原理を解明しています。

社会技術研究は、教育や福祉に脳科学の立場からメスを入れていきます。教育関連では、基本的生活習慣が児童や生徒の認知発達に与える影響を教育委員会と共に研究を行ったり、テレビやゲームなどが子どもの脳発達に与える影響を明らかにしたりしてきています。高齢者については、スマート・エイジングの実現に向けて、健康寿命を延ばすための方策を基礎研究成果を元に提言しています。

ユビキタスセンター研究分野では、生活環境下での脳活動計測や眼球運動計測を、産学連携によって開発した超小型センサーを応用して行い、生体情報のライフログを取得し、新たな情報の抽出やその産業応用を目指します。産業界との連携も積極的に行いますので、共同研究を希望される企業の皆さんは、大学の技術相談窓口からいらしてください。

チームの全体ミーティングは英語で行っています。博士研究員など外国人スタッフがいることも一因ですが、あくまでも世界レベルでの研究のみを目標に行っていますので、当然、対外発表の場も国際学会が中心になります。したがって、普段から自分の専門領域に関しては英語で討議ができるようするためのトレーニングとして位置づけており、研究室で直接ネイティブ英会話教師による英語教育も行っています。また、全ての大学院生は、入学した翌年の春に行われる国際学会が学会デビューになります。

「脳」は人間そのものですから、これまでの研究のバックグラウンドは一切問いません。研究は「探究心」が命ですから、個人の知的好奇心に応じた研究をサポートします。多くの皆さんが、このチームに合流してくださることを願っています。

2016年4月 川島 隆太